被子植物 広葉樹 U
(著者名は以下略)
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ゆきのした科 Saxifragaceae
あじさい属
ノリウツギ Hydrangea paniculata
Hydrangea は、 hydro(水)+angeion(容器)。さく果の形から
paniculata;円錐花序の
タマアジサイ Hydrangea involucrata
involucrata;総包のある
ガクアジサイ Hydrangea macrophylla var. macrophylla
macrophylla;大葉の
ヤマアジサイ Hydrangea serrata
serrata;鋸歯のある
コアジサイ Hydrangea hirta
hirta; 短い剛毛のある
コガクウツギ Hydrangea luteo-venosa
luteo-venosa;黄色(luteo)の細脈のある
ガクウツギ Hydrangea scandens
scandens;よじ登る性質のある
ばいかうつぎ属
バイカウツギ Philadelphus Satsumi
Philadelphus は、エジプト王 Ptolemy Philadelphus に因む
Satsumi;薩摩(日本名)
うつぎ属
ウツギ Deutzia crenata
Deutzia は、オランダの johan van der Deutz(Thunbergの後援者)に因む。
crenata;円鋸歯のある
ヒメウツギ Deutzia gracilis
gracilis ;細長い、繊細な
すぐり属
スグリ Ribes senanense
Ribes は、アラビアの名(ribos)の転用
senanense;信濃産の、信州産の
ヤシャビシャク Ribes ambiguum
ambiguum;疑わしい、不確実の
マルスグリ Ribes Grossularia
Grossularia ;グースベリの仏語名 grosaille から
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とべら科 Pittosporaceae
とべら属
トベラ Pittosporum Tobira
Pittosporum は、 pitta(ピッチ)+ spora(種子)の意。種子が真っ黒でつやがあり、粘着性のあることから
Tobira;トベラ(日本名)
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まんさく科 Hamamelidaceae
まるばのき属
マルバノキ Disanthus cercidifolius
Disanthus は、 dis(2つ)+ anthos(花)。二個ずつ着する花による
cercidifolius ;ハナズオウ属(Cercis)の葉(foliatus)に似た
ときわまんさく属
トキワマンサク Loropetalum chinense
Loropetalum は、 loron(革ひも)+ petalon(花弁)。花弁が、厚く広い線形をなすため
chinense ;支那の
いすのき属
イスノキ Distylium racemosum
Distylium は、 dis(2つ)+ stylos(花柱)。雄しべが、二本の花柱をもっているため
racemosum ;総状花序をつけた
まんさく属
マンサク Hamamelis japonica
Hamamelis は、 hamos(似た)+ melis(リンゴ)。西洋サンザシにつけられた古代ギリシャ名で、後に転用された。
japonica;日本の
とさみずき属
トサミズキ Corylopsis spicata
Corylopsis は、はしばみ属(Corylus)に似た(opsis)の意。
spicata;穂状花のある、穂状をなした
ヒュウガミズキ Corylopsis pauciflora
pauciflora;小数の花の , paucus(少数) + flora(花)
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すずかけのき科 Platanaceae
すずかけのき属
モミジバスズカケ Platanus acerifolia
Platanus は、platys(広い)から出た名。大きい葉に由来。
acerifolia ;かえで属(acer)に似た葉の(foliatus)
スズカケノキ Platanus orientalis
orientalis;東方の(特に中近東の)
アメリカスズカケノキ Platanus occidentalis
occidentalis;西方の、(米国、欧州の)西部の
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ばら科 Rosaceae
こごめうつぎ属
コゴメウツギ Stephanandra incisa
Stephanandra は、 stephanos(冠)+ andron(雄しべ)。雄しべが、冠状になって存するため
incisa ;鋭く裂けた
参考 incise(英)、inciser(仏) 切り込む、刻む
しもつけ属
コデマリ Spiraea cantoniensis
Spiraea は、speira(螺旋)に由来するギリシャ名。
果実が螺旋状をなす種があるため。
cf. spiral(英、仏)螺旋形の
cantoniensis;中国広東産の
ユキヤナギ Spiraea Thunbergii
Thunbergii;スウェーデンの植物学者ツンベリーの
シモツケ Spiraea japonica
japonica;日本の
やまぶき属
ヤマブキ Kerria japonica
Kerria は、英国の植物学者 John Bellendon Ker に因む。
japonica;日本の
きいちご属
フユイチゴ Rubus Buergeri
Rubus は、ラテンの古名( ruber )から。赤い果実がなるため。cf. ruber(赤色の)
Buergeri;日本植物採取家のブルゲルの
ニガイチゴ Rubus microphyllus
microphyllus;小さい葉の , micro + phyllus
クマイチゴ Rubus crataegifolius
crataegifolius;サンザシ属(Crataegus)に似た葉の
クサイチゴ Rubus hirsutus
hirsutus;粗毛のある、多毛の
エビガライチゴ Rubus phoenicolasius
phoenicolasius;美しい紅色の、紫紅色の
ばら属
ノイバラ Rosa multiflora
Rosa は、ばらに対するラテン古名。ギリシャ語は rhodon 。ケルト語の rhodd (赤色)に由来。
multiflora;多花の、 multi + florus
サンショウバラ Rosa hirtula
hirtula;短い剛毛のある
サンショウイバラとも言う
ヤマイバラ Rosa sambucina
Sambucina;ニワトコ(Sambucus)のような
ハマナス Rosa rugosa
rugosa ;縮んだ、しわのある、しわのある縮みかたの
さくら属
アンズ Prunus armeniaca
Prunus は、 plum(すもも)に対するラテン古名
armeniaca ;小アジアのアルメニアの
ウメ Prunus Mume
Mume;うめ(日本名)
モモ Prunus persica
persica;ペルシャの
バクチノキ Prunus Zippeliana
Zippeliana ;植物採集者ジッペルの
リンボク Prunus spinulosa
spinulosa;やや棘のある
cf. spinosus 棘の多い
ウワミズザクラ Prunus Grayana
Grayana;北米の分類学者 A.グレイの
ミネザクラ Prunus nipponica
nipponica;日本本州産の
マメザクラ Prunus incisa
incisa;鋭く裂けた
エドヒガン Prunus pendula forma ascendens
pendula;下垂の、
ascendens;傾上した
cf. ascend (英)、ascendere(伊) 登る、上がる
ソメイヨシノ Prunus yedoensis
yedoensis;江戸産の
ヤマザクラ Prunus Sargentii subsp.Jamasakura
Sargentii;北米の植物学者 C.S.サージェントの
Jamasakura;やまざくら(日本名)
オオヤマザクラ Prunus Sargentii
Sargentii;北米の植物学者 C.S.サージェントの
オオシマザクラ Prunus Lannesiana
Lannesiana;園芸家ラネスの
ミヤマザクラ Prunus Maximowiczii
Maximowiczii;ロシアの分類学者マキシモヴィッチの
さんざし属
サンザシ Crataegus cuneata
Crataegus は、kratos(力)+ agein(持つ)。材が硬いため。
cuneata;くさび形の
セイヨウサンザシ Crataegus oxyacantha
oxyacantha;鋭い形の刺をもつ、 oxy(鋭い)+acanth(刺)
かなめもち属
カナメモチ Photinia glabra
Photinia は、photeinos(輝く)から。新葉が、紅色で光沢があるため。
glabra ;脱毛した、やや滑らかな
びわ属
ビワ Eriobotrya japonica
Eriobotrya は、erion (軟毛)+ botrys(ぶどう)、白い軟毛でおおわれた果実が房になり実るため。
japonica;日本の
しゃりんばい属
シャリンバイ Rhaphiolepis umbellata
Rhaphiolepis は、rhaphis (針)+ lepis(鱗片)。
umbellata;散形花序の
ぼけ属
ボケ Chaenomeles lagenaria
Chaenomeles は、chaino (開ける)+ melon(リンゴ)、
裂けたリンゴの意で、熟した果実に裂け目ができるため。
lagenaria;ひょうたん形の
カリン Chaenomeles sinensis
sinensis;支那産の
りんご属
セイヨウリンゴ Malus pumila
Malus は、ギリシャ名の malon(リンゴ)から出た名
pumila;低い、小さい
カイドウ Malus Halliana
Halliana;採集家ハルの
エゾノコリンゴ Malus baccata var. mandshurica
baccata;液果の、液果様の
mandshurica;満州産の
オオウラジロノキ Malus Tschonoskii
Tschonoskii;日本植物の採集家 須川長之助の
ズミ Malus Sieboldii
Sieboldii;シーボルトの
なし属
セイヨウナシ Pyrus communis
Pyrus は、ナシの木の古典名
communis;普通の、通常の、共通した
cf. common (英)、commun (仏)、comun(西)、comune(伊)共通の、普通の
ナシ Pyrus pyrifolia var.culta
pyrifolia;ナシ(Pyrus)のような葉の
culta;耕された、栽培の
cf. cultivate(英)、cultiver(仏)、cultivar (西) 耕す。 culture(英、仏)、cultura(伊、西) 教養、文化
ざいふりぼく属
ザイフリボク Amelanchier asiatica
Amelanchier は、ヨーロッパ種に対する仏プロバンスでの土名。
asiatica;アジアの
かまつか属
カマツカ Pourthiaea villosa var. laevis
Pourthiaea は、フランスの宣教師 Pourthie を追悼してつけた名
villosa;軟らかい毛のある
laevis;平滑な
ななかまど属
ナナカマド Sorbus commixta
Sorbus は、この植物の古いラテン名
commixta;混合した
ナンキンナナカマド Sorbus gracilis
gracilis;細長い、繊細な
アズキナシ Sorbus alnifolia
alnifolia;はんのき属(Alnus)のような葉(folia)をもった
ウラジロノキ Sorbus japonica
japonica;日本の
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まめ科 Leguminosae
ねむのき属
ネムノキ Albizzia Julibrissin
Albizzia は、2世紀前にこの属をヨーロッパに紹介したイタリアの F.D.Albizziを記念してつけられた名。
Julibrissin;東インドの名
さいかち属
サイカチ Gleditsia japonica
Gleditsia は、ドイツの植物学者J.G.Gleditshに因む名
japonica;日本の
くらら属
エンジュ Sophora japonica
Sophora は、リンネがアラビア語を転用してつけた名
japonica;日本の
いぬえんじゅ属
イヌエンジュ Maackia amurensis var. Buergeri
Maakia は、ロシアの植物学者 R.Maackに因んだ名
amurensis;東部シベリア アムール地方産の
Buergeri;日本植物採集家ブュルゲルの
ふじき属
ユクノキ Cladrastis sikokiana
Cladratis は、clados (枝)+thraustos (もろい)。枝が、もろいため
sikokiana;四国産の
フジキ Cladrastis platycarpa
platycarpa;平たい果実の, platy(広い)+carpus(果)
はぎ属
マルバハギ Lespedeza cyrtobotrya
Lespedeza は、フロリダ州知事のスペイン人 Cespedesに因む
cyrtobotrya;曲がった総の
ヤマハギ Lespedeza bicolor forma acutifolia
bicolor;二色の(一花に二色ある)、 bi(2つ)+color(色)
acutifolia;葉先の尖った
cf. acute(英)、acuite(仏)、acuto 〈伊)鋭い、尖った、激しい
キハギ Lespedeza Buergeri
Buergeri;日本植物の採集家ブリュゲルの
ミヤギノハギ Lespedeza penduliflora
penduliflora;下垂した花のある
pendulus(下垂した)+flora(花)
くず属
クズ Pueraria lobata
Pueraria は、スイスの植物学者 M.N.Pueraria.に因む
lobata;浅裂した
ふじ属
フジ Wisteria floribunda
Wisteria は、米国の有名な解剖学者 C.Wistarに因む
floribunda;花の多い、 flori(花)+bundus (豊富な)
はりえんじゅ属
ハリエンジュ(ニセアカシア) Robinia Pseudo-acacia
Robinia は、パリの園芸家 J.Robin を記念した名
Pseudo-acacia ;にせのアカシア、アカシアに似た
Pseudo(にせの)+ acacia
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みかん科 Rutaceae
さんしょう属
サンショウ Zanthoxylum piperitum
Zanthoxylum は、ギリシャ語の xanthos(黄色)+ xilon(木質)
piperitum;コショウのような
イヌザンショウ Zanthoxylum schinifolium
schinifolium;うるし科Schinus属のような葉の
カラスサンショウ Zanthoxylum ailanthoides
ailanthoides;にわうるし属(Ailanthus)に似た
oides は 似る、類するなどの意の接尾語
こくさぎ属
コクサギ Orixa japonica
Orixa は、日本名コクサギをオリサギと読み誤ったことから
japonica;日本の
きはだ属
キハダ Phellodendron amurense
Phellodendoron は、phellos(コルク)+dendron(樹木)。
材に厚い皮がつくため
amurense;アムール産の
みやましきみ属
ミヤマシキミ Skimmia japonica
Skimmia は、日本名のシキミ
japonica;日本の
ツルシキミ Skimmia japonica var. repens
japonica;日本の
repens;地に這う
みかん属
ウンシュウミカン Citrus unshiu
Citrus は、ギリシャ名 kitron (箱)からきたラテン名。
unshiu;ウンシュウミカンの略
タチバナ Citrus Tachibana
Tachibana;タチバナ(日本名)
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せんだん科 Meliaceae
せんだん属
センダン Melia Azedarach var. subtripinnata
Melia は、トネリコ( Fraxinus )のギリシャ名。葉の形が似ているため
Azedarach;高貴な木という意味のペルシャ語から
subtripinnata;やや3回羽状の。 sub 弱い、亜、類する。tri 3つ。pinnatus 羽状の。
参考 せんだん科のマホガニー属( Swietenia )は、優良な家具材として知られている。
広葉樹U 終わり
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