1  裸子植物


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そてつ科 Cycadaceae


そてつ属



  ソテツ Cycas revoluta Thunb.


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 Cycas は、ソテツのギリシャ名(cykas)


 revoluta;外旋した、外へ旋回する、反対に巻くの意。


 参考 revolution(英、仏 )革命, revolver(英、仏、伊 )ピストル        


      著者名の Thunb.は、1775年に来日したスエーデン植物学者のツンベルグ( Thunberg)の略である。



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いちょう科 Ginkgoaceae


いちょう属



  イチョウ Ginkgo biloba Linn.


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 Ginkgo は、銀杏の音読み(ギンキョウ ) Ginkjoの誤植


biloba;二つに浅く裂けた、 biは二つの意、(葉の形から)


  Linn.は、1735年、この命名法を確立したスエーデンの植物学者リンネ(Linne)である。  L.とも略される。



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いちい科 Taxaceae   


いちい属



 イチイ Taxus cuspidata Sieb. et Zucc.


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  Taxus は、イチイのギリシャ名 taxosから。taxosは弓の意味もある。

cuspidata;急に尖った 


 Sieb.は、幕末(1823年)に来日したドイツ人の医者シーボルト (Siebold)。 S.と略す。

et は、英語の and の意味,仏語では et 、  伊語でも e と表す。西語(スペイン語)では y。

 Zucc.は、シーボルトの採取した植物を研究したイタリアの植物学者  ツッカリーニ(Zuccarini)。 Z.と略す。  




かや属



 カヤ Torreya nucifera Sieb. et Zucc.


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 Torreya は、アメリカの植物学者 J.Torrey の名に因む


nucifera;堅果を持った  (堅い実をもつため)


  参考 nucleus(英)、nucleo(伊) 核,芯、細胞核、原子核



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まき科 Podocarpaceae


まき属



  イヌマキ Podocarpus macrophylla D.Don


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Podocarpus は、podos(足)+carpos(果)、種子の付け根が肥大 する特徴から


macrophylla;macro(大きい)+phylla(葉)、大葉の




  ナギ Podocarpus Nagi Zoll. et Moritz.


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Nagi;日本名ナギによる。



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いぬがや科 Cephalotaxaceae


 いぬがや属



イヌガヤ Cephalotaxus Harringtonia K.Koch


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Cephalotaxus drupacea S.et Z.と表記している学者もいる。


Cephalotaxus は、cephalos(頭)+Taxus(イチイ属)、花が頭状に集まったイチイの意。


      参考 英語でも、cephalo - は、頭の意味の接頭語。   cephalopod 頭足類動物(たこ、いかなど)



Harringtonia;英国のユートピア思想家J・ハリントンに因む


      drupacea;核果の




ハイイヌガヤ Cephalotaxus Harringtonia K.Koch subsp.nana Kitagawa


      nana;小さい、低い。( nanusの女性形) 


      subsp.は、subspecies(亜種)の略 


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まつ科 Pinaceae


もみ亜科


もみ属



モミ Abies firma S. et Z.


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Abies は、モミの古いラテン名による。( Abies alba )


firma;強い、硬い、しっかりした


参考 firm(英)硬い、しっかりした、会社




ウラジロモミ Abies homolepis S. et Z.


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   homolepis;同じ種類の鱗片の 


  homo 似た、同じ、の意の接頭語   




アオモリトドマツ Abies Mariesii Mast.


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   Mariesii;採集家マリエスの 


  オオシラビソ とも呼ばれる   




シラベ Abies Veitchii Lindl.


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   Veitchii;英国の園芸家ヴェーチェの 


  シラビソ とも呼ばれる   




アカトドマツ Abies sachalinensis Fr. Schm.


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sachalinensis;サハリン(樺太)産の。  〜ensisは 、 〜産の意の接尾語




アオトドマツ Abies sachalinensis Fr. Schm. var. Mayriana Miyabe et Kudo


      Mayriana;ドイツの樹木学者 H.マイルの 


      var.は、varietas (variety) 変種の略 



 とがさわら属



トガサワラ Pseudotsuga japonica Beissn.


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Pseudotsuga は、pseudos(偽の)+Tsuga(ツガ)、 pseudo は「偽の」の意味の接頭語。英語での発音は、[psju do]、仏語は、[psodo]


japonica;日本の(女性形)、japonicus(男性形)、japonicum (中性形) 



参考 ダグラスファー (オレゴンパイン、米松) Pseudotsuga menziesii



 つが属



ツガ Tsuga Sieboldii Carr.


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Tsuga は、ツガの日本名による。 


Sieboldii;シーボルトの、  ii, i, e は所有格を表す接尾語。 英語 の 's と同じ。




コメツガ Tsuga diversifolia Masters


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diversifolia;diversi(種々の、多様な)+foliatus(葉のある)、  種々の葉を持った 


  参考 diverse(英)、divers(仏)、diverso(伊) 多様な、異なった



      参考   ヘムロック(米ツガ) Tsuga heterophylla ,Tsuga canadensis



 とうひ属



エゾマツ Picea jezoensis Carr.


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Picea は、樹脂の意のラテン語 pix,picis から、  英語は pitch ピッチ、松脂


jezoensis;エゾ(北海道)産の




トウヒ Picea jezoensis Carr. var. hondoensis Rehd.


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var.は、varietas (変種)の略。英語は variety 、仏語は variete、伊語は varieta

   hondoensis;日本本州(本土)産の



マツハダ Picea bicolor Mayr


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  bicolor;二色の、 bi (2つ) 


  イラモミ とも呼ばれる   




アカエゾマツ Picea Glehnii Mast.


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   Glehnii;カラフト植物の採集家グレーンの 




バラモミ Picea polita Carr.


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   polita;みがいた、平滑な、 


  参考  polite(英)、poli(仏)、polito(伊) 丁寧な、洗練された   


  ハリモミ とも呼ばれる   




ヒメバラモミ Picea Maximowiczii Regel


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   Maximowiczii;ロシアの分類学者マキシモヴィッチの 




ヤツガタケトウヒ Picea Koyamai Shirasawa


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   Koyamai;針葉樹の採取家、小山光男の 


  Shirasawaは、樹木学者 白沢保美  



参考  スプルース    シロトウヒ(カナダトウヒ) Picea glauca , エンゲルマントウヒ Picea engelmannii など


シトカスプルース (ベイトウヒ) Picea sitchensis



 からまつ属



カラマツ Larix leptolepis Gord.


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Larix は、ヨーロッパカラマツの古代名、語源はケルト語の lar(豊富)。豊富な樹脂をもつことから


leptolepis;うすい鱗片のある



      参考 グイマツ(シベリアカラマツ) Larix Gmelini


         タマラック(アメリカカラマツ) Larix Glaricina



ひまらやすぎ属



ヒマラヤスギ Cedrus deodara Loud


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Cedrus は、香りの良い材の木のギリシャ名 cedros に因む。


語源は、アラビア語の kedron(力)


deodara;神木    ,  Deo 神,神意


  参考    レバノンスギ    Cedrus libani  


        アトラスシーダー  Cedrus atlantica  


        シマモミ(ユサン) Keteleeria Davidiana  



まつ亜科


まつ属



クロマツ Pinus Thunbergii Parl.


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Pinus は、マツのラテン古名、英語 pine, 仏語 pin, 伊語 pino


Thunbergii;スエーデンの植物学者ツンベルグの、




アカマツ Pinus densiflora S. et Z.


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densiflora;densi(密な)+ flora(花の)、密に花のある


floral(英、仏)、floreale(伊)花の、植物の。

 Flora 花と春の女神(ローマ神話)




ハイマツ Pinus pumila Regel


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   pumila;低い、小さい 



チョウセンゴヨウ Pinus koraiensis S. et Z.


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   koraiensis;朝鮮産の、高麗産の 




ヤクタネゴヨウ Pinus Armandi Franch. var. amamiana Hatusima


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   Armandi;植物採集家 Armand の 


   amamiana;奄美大島の



ハッコウダゴヨウ Pinus hakkodensis Makino


   hakkodensis;八甲田山産の 



ヒメコマツ Pinus pentaphylla Mayr


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pentaphylla;penta(五つ)+phylla(葉) 五葉の



参考 数の表現    


ラテン語接頭語仏語西語伊語
1 unusuniunununo
2 duodideuxdosdue
3 trestritroistrestre
4 quattuorquadrquatrecuatroquattr
5 quinquequinq,pentacinqcincocinque
6 sexsex,hex,hexasixseissei
7 septemseptemseptsietesette
8 octoocthuitochootto
9 novemnovemneufnuevenove
10 decemdec,decadixdiezdieci
100 centumcenticentcientocento


ゴヨウマツ Pinus pentaphylla Mayr. var. Himekomatsu Makino


   Himekomatsu;ヒメコマツ(日本名) 


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こうやまき科 Siadopityaceae


こうやまき属



コウヤマキ Sciadopitys verticillata S.et Z.


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Sciadopitys は、scias (傘)+ pitys (マツ) 、葉状の短枝が、 輪状につくことから 


verticillata;輪生の、環生の



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すぎ科 Taxodiaceae


すぎ属



スギ Cryptomeria japonica D.Don


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Cryptomeria は、cryptos(隠れた)+ meris(関節、部分)


japonica;日本の



 

参考     セコイア (Redwood) Sequoia sempervirens


         セコイアデンドロン(Giant Sequoia) Sequoiadendron giganteum


         メタセコイア Metasequoia glyptostroboides


         ヌマスギ(落羽松) Taxodium distichum


         コウヨウザン Cunninghamia lanceolata


         ランダイスギ Cunninghamia Konishii


         タイワンスギ Taiwania cryptomerioides


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ひのき科 Cupressaceae


ひのき属



ヒノキ Chamaecyparis obtusa Endl.


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Chamaecyparis は、chamai(小さい)+ cyparissos(イトスギ)、 イトスギにくらべて果実が小さいため


obtusa;鈍形の、円味を帯びた



 

参考       ポートオーフォードシダー (米ヒ)  Chamaecyparis lawsoniana


            イエローシダー (米ヒバ) Chamaecyparis nootkatensis


            タイワンヒノキ       Chamaecyparis obtusa var. formosana



サワラ Chamaecyparis pisifera Endl.


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pisifera;エンドウ(豆)(Pisum)をもった




ねずこ属



ネズコ Thuja Standishii Carr.


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Thuja は、常緑で樹脂をだす植物の古名(thyia,thyon)から


Standishii;樹木学者スタンデッシュの


  参考   ウエスタンレッドシダー(米スギ) Thuja plicata




コノテガシワ Thuja orientalis L.


   orientalis;東方の、中近東の 



あすなろ属



アスナロ Thujopsis dolabrata S.et Z.


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Thujopsis は、Thuja(ネズコ)+ opsis(似た)


dolabrata;斧状の




ヒノキアスナロ Thujopsis dolabrata var. Hondae Makino


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   Hondae;林学者本多静六博士の 


  ヒバ(青森ヒバ)とも呼ばれる 



びゃくしん属



ネズミサシ Juniperus rigida S.et Z.


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Juniperusは、この植物の古名、ケルト語の juneprus(粗渋)、    ラテン語の juvenis(若い)+ pario(生産)などの説がある。


rigida;硬直の、曲がらない




ハイネズ Juniperus conferta Parl


   conferta;密生した、    con は共にの意の接頭語 



リシリビャクシン Juniperus communis Linn. var. saxatilis Pallas


   communis;普通の、通常の、共通した  

   cf   common(英)commun(仏)comun(西) 共通の、普通の 


   saxatilis;岩の上に生じる、岩間に生える 



ミヤマネズ Juniperus communis Linn. var. nipponica Wilson


   communis;普通の、通常の、共通した  


   nipponica;日本(本州)の 



シマムロ Juniperus taxifolia Hook. et Arn.


   taxifolia;イチイ(Taxus)のような葉(folium)の 


   シマビャクシン とも言う 


オキナワネズ Juniperus lutchuensis Koidz.


オキナワネズの説明へ

   lutchuensis;琉球産の 




ビャクシン Juniperus chinensis L.


ビャクシンの説明へ

chinensis;支那産の




ミヤマハイビャクシン Juniperus chinensis L. var. Sargenti Henry


   Sargenti;北米の植物学者 C.S.サージェントの 



ハイビャクシン Juniperus chinensis L. var. procumbens Endlicher


   procumbens;倒状形の、伏がした、這った     



           (裸子植物  終了)



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